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llms.txtの記事一覧を
AI流入で毎月選び直す

llms.txtに置いた「AIからよく参照される記事」の一覧を、GA4のAI流入で毎月作り直してきた4か月の記録です。選ぶ基準、入れ替わりの大きさ、数字どおりにしなかった判断と、この記録から言えないことを書きます。

9分で読める2026-11-01

llms.txtの「AIからよく参照される記事」の一覧は、GA4でAIサービスから来た直近30日の訪問をランディングページごとに数え、毎月ゼロから作り直しています。4か月で分かったのは、9月以降は新しい一覧の58〜75%が前月に無かった記事だったこと、数だけで選ぶとサイトの主題から外れる記事も上位に入ること、そしてGA4の「AI流入」はAIの回答に出たリンクを人が押した数であって、AIのクローラーがページやllms.txtを読んだ数ではないことです。一覧を入れ替えたことでAIからの訪問が増えたかどうかは、この記録からは言えません。

観察の対象:llms.txtの「AI引用実績の高い記事」の節

当社が別途運営するWeb制作者向けのメディア(以下、対象サイト)のllms.txtには、テーマ別のハブ記事、ツールの一覧、最近の投稿と並んで「AI引用実績の高い記事」という節があります。llms.txtの提案仕様は、このファイルを「LLM向けに厳選した概要」と位置づけていますが、何を厳選するかの決まりはありません。この節は、実際にAIの回答からリンクされている記事を先頭に見せる、という考えで2026年5月に作りました。

7月からは毎月1日に、自動実行がGA4のデータを取り、選定表と前月との差分をレポートにまとめます。自動実行がするのは提案までで、一覧に反映するのは人が確認してからです。7月から11月までの5回のうち、適用したのは4回、見送ったのは8月の1回です。llms.txtはサーバー側で生成していて、一覧は記事の識別子を並べた定数で持っています。

選ぶ基準:数えるもの・外すもの・並べ方

項目基準
期間直近30日(毎月1日に、前日までの30日)
AI流入の範囲GA4の参照元(sessionSource)に chatgpt・openai・gemini・copilot・perplexity・claude のどれかを含む訪問
数える単位ランディングページごとに、参照元をまたいで合算する
下限合計2訪問以上
対象記事だけ。ツール本体・練習アプリ・トップ・カテゴリ・ランディング不明(not set)は外す
外すものハブ記事(llms.txtの別の節に載っているため)
並び訪問数の多い順。同数なら、エンゲージメントのあったセッション(以下、読まれた訪問)の多い順
作り方前月の一覧は流用せず、毎回ゼロから作る

参照元の条件を6語の部分一致にしているのは、同じ会社のAIでも表記が分かれるためです。OpenAIのAIからの訪問は、毎月 chatgpt.com と openai の2つの参照元に分かれて記録されていました。片方だけで絞ると、記事によっては流入の半分以上を取りこぼします。ランディングページで合算するのはそのためです。

読まれた訪問は、GA4の「エンゲージメントのあったセッション」で、10秒以上続いた、キーイベントが起きた、2ページ以上見た、のどれかを満たす訪問です。並べ替えには同数のときにしか使っていません。理由は後の「外す判断」で書きます。

毎月の入れ替わり:新しい一覧の58〜75%が新顔

回結果前の一覧から残った割合新しい一覧の新顔の割合メモ
7月適用100%0%顔ぶれは前回と同じで、並びが1組入れ替わっただけ
8月見送り――追加候補の大半が基準ちょうど(2訪問)で、1訪問の差で出入りが決まる状態だった。根拠が前月分のデータで、その月に公開した記事も入っていないため、翌月にゼロから作り直すことにした
9月適用27%75%最大の入れ替え。前回の1位は基準を割り、別の記事が1位に
10月適用58%63%基準を満たす記事が増え、一覧が長くなった
11月適用42%58%基準では2位だった主題外の記事を1件外して適用

9月以降は、毎月の一覧の58〜75%が前月に無かった記事でした。1位の記事は、適用した4回とも別の記事です。4回の一覧すべてに残ったのは1記事だけでした。7月の一覧をそのまま置いていたとすると、11月の時点で基準を満たしていたのは、その2割弱です。一覧を作った時点の「AIによく参照される記事」は、数か月で実績の無い記事の一覧になります。

入れ替わりの大きさは、母数の薄さとも結びついています。基準の「2訪問以上」ちょうどの記事が、毎月、一覧の4分の1から半分を占めました。この帯の記事は1訪問の差で出入りします。8月に適用を見送ったのは、追加候補の大半がこの帯だったためです。AIからの訪問が少ないサイトでは、入れ替わりの一部は実績の変化ではなく揺れだと考えたほうが安全です。

もう一つの変化は、AIからの訪問の着地先です。この一覧が扱うのは記事だけですが、記事に着地した訪問の割合は7月の60%から、10月には43%まで下がりました。代わりに伸びたのは、ツール本体や練習アプリといった記事以外のページです(ツールはllms.txtの別の節で扱っています)。

AI流入の着地先(AI流入全体に占める割合)7月8月9月10月11月
記事60%60%56%43%49%
記事以外(ツール本体・練習アプリなど)15%13%34%45%40%
トップページ20%19%1%1%1%
ランディング不明(not set)5%7%9%11%10%

ランディング不明(not set)の割合も、5%から10%前後に増えました。どのページに着地したか分からない訪問は、どの一覧にも入りません。8月の回までトップページが2割前後あったのも、記事の一覧からは見えない部分です。

外す判断:数字どおりにしなかった1件と、数字どおりにした2件

主題外の記事Aを、2位でも外した

11月の回で、サイトの主題(Web制作)から外れる記事Aが、基準では2位に入りました。読まれた訪問の割合も高く、数字の上では外す理由がありません。それでも外しました。llms.txtは、そのサイトが何のサイトかをAIに伝える一覧でもあるからです。Web制作のサイトの一覧の上から2番目に主題外の記事があると、主題がぶれて伝わるおそれがあります。外した理由は一覧の定義のすぐ上に書き残し、今後浮上しても同じ理由で外すことにしました。

正直に書くと、同じ記事Aは7月の一覧では1位に置いていました。そのときは基準の結果をそのまま使い、主題の観点では見ていませんでした。訪問数の基準が測っているのは「AIの回答からリンクされた実績があるか」で、「主題に沿うか」は測っていません。この判定は自動の基準に入れず、毎月人が見るところとして残しています。

読まれていない訪問だけの記事は、残した

11月に3位に入った記事Bは、すべての訪問がエンゲージメントなしでした。9月に1位だった記事Cも、読まれた訪問の割合は9月が7%、10月と11月は0%です。それでも並びは訪問数の順のまま残しました。

9月に、記事Cの低さを理由に並びを読まれた訪問の順へ変えるかを検討しました。変えなかったのは、この節の趣旨を「AIの回答からリンクされて人が来た実績」と決めていて、その実績を最もそのまま表すのは訪問数だからです。読まれたかで並べ直すと、節が何を測っているのかが月ごとに変わってしまいます。

もう一つの理由は、読まれていない訪問の正体が確かめられないことです。10秒以内に閉じた人か、リンクのプレビューか、ブラウザを使った自動の訪問か。GA4の数字からはどれとも決められません。正体が分からないものを、外す根拠にも残す根拠にもしない。決めた並びを変えないことにしたのは、この立場からです。

GA4の「AI流入」は、AIのクローラーの訪問を数えていない

この一覧を「AI引用実績」と呼ぶときに、取り違えやすい点があります。GA4は、ブラウザでタグのJavaScriptが動いたときに訪問を数えます。参照元がChatGPTやGeminiになっている訪問は、AIの回答に出たリンクを人が押して来たものです。AIがページを読んだ回数ではありません。

AIのクローラーは、そもそもGA4に残りにくい作りです。VercelとMERJの2024年12月の調査では、主要なAIのクローラーはJavaScriptを実行していませんでした(例外は、Googlebotの基盤を使うGeminiとApplebot)。JavaScriptを動かさない訪問では、GA4のタグも動きません。OpenAIは、検索用のOAI-SearchBot、学習用のGPTBot、利用者の操作でページを取りに行くChatGPT-Userを分けて公開しており、ChatGPT-Userは自動の巡回には使わないとしています。どれが来たかを見るのは、GA4ではなくサーバーのアクセスログです。

知りたいこと見る場所分かること分からないこと
AIの回答から人が来たかGA4の参照元どのページに何人来て、読まれたかなぜそのページがリンクされたか
AIのクローラーが読みに来たかサーバーのアクセスログ(ユーザーエージェント)来た日時とURL読んだ内容を回答に使ったか
llms.txt自体が読まれたかアクセスログの /llms.txt へのリクエスト取得されたこと中の一覧が参照先の選び方に効いたか
GoogleのAI機能での表示Search Console の検索パフォーマンスウェブ検索の数字に合算された形でだけAIによる概要の分だけを切り出すこと

アクセスログでクローラーが来たことが分かっても、読んだ内容を回答に使ったかどうかは外から確かめられません。llms.txtが取得されたことが分かっても、中の一覧が参照先の選び方に効いたかは分かりません。つまりこの一覧は「AIが読んだ記事」ではなく「AIの回答から人が来た記事」の後追いの記録です。クローラーを止めていないかの確かめ方はAIクローラーのブロック確認に、AIの種類ごとに着地先が分かれた観測はAI参照元別の流入ジャンルの観測にまとめています。

AIの種類ごとの傾向:OpenAI系が6〜8割、複数のAIから来る記事が増えた

AI流入全体に占める割合7月8月9月10月11月
OpenAI系(chatgpt.com と openai の2表記)75%59%64%73%77%
Gemini9%19%26%22%18%
Copilot9%15%7%4%4%
Perplexity3%3%1%1%1%
Claude3%4%3%0%0%

OpenAI系が毎月6〜8割を占め、Geminiは9月に26%まで伸びた後、18%に戻りました。Claudeからの訪問は7〜9月に数%あり、10月と11月は0でした。いずれも母数が小さく、1〜2ポイントの差は揺れの範囲です。

変化として目立ったのは、2つ以上のAIから来た記事の割合です。一覧の候補(2訪問以上の記事)のうち、複数のAIから来た記事は7月の8%から、11月には43%まで増えました。1つのAIだけから来る記事は、そのAIの回答の変化ひとつで一覧から消えます。複数から来る記事のほうが、翌月も残りやすいのではないかと見ていますが、4か月では確かめられていません。

落とし穴:反映直後のllms.txtは、前の一覧を返す

対象サイトのllms.txtは、アクセスのたびに作らず、サーバー側で生成して最長13時間キャッシュしています。そのため、一覧を書き換えて反映した直後にllms.txtを開くと、前の一覧が返ります。これは正常な動きで、反映の失敗ではありません。確かめるのは、キャッシュが切れる時刻の後です。

確かめ方にも落とし穴があります。llms.txt全体を記事名で検索すると、「最近の投稿」など別の節にも同じ記事が載っていて、一覧を反映していなくても一致します。入れ替えた節の見出しから次の見出しまでを切り出して、その中だけを比べます。

WordPressのプラグインや自作の仕組みでllms.txtを生成している場合は、キャッシュの期間とCDNの有無を先に把握しておくと、反映の確認で迷いません。公開中のllms.txtが仕様どおりの形かは、llms.txtチェックで配信されている中身を取りに行って確かめられます。llms.txtの書き方そのものはllms.txtの作り方にあります。

この記録から言えないこと

一覧を入れ替えたことで、AIからの訪問が増えたかどうかは言えません。AIからの訪問の総数は7月から10月にかけて増えましたが、同じ期間に対象サイトの記事もツールも増えています。一覧を変えなかった比較の期間も、比べられる別のサイトもありません。増えた理由を一覧に結びつける根拠がありません。

Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、新しい機械可読ファイルやAI向けのテキストファイルは不要としています。ChatGPTなどほかのAIがllms.txtを回答に使っているかは、各社が明らかにしておらず、外からは確かめられません。この点の整理は「llms.txtは不要だった」は本当かとllms.txtはGEO施策として機能するのかに書いています。

それでも毎月の作り直しを続けているのは、手間が小さいからです。提案は自動で出て、人がするのは主題に沿うかの確認と反映だけです。作らずに置いておけば、数か月で実績の無い記事の一覧になることは、この4か月で分かりました。効果を確かめたから続けているのではなく、古い一覧を出し続けない費用として割に合う、という判断です。

関連ツール

出典(2026年11月1日に確認)

よくある質問

llms.txtに載せる記事の一覧は、どのくらいの頻度で見直すべきですか?▾
llms.txtの提案仕様(llmstxt.org)に更新頻度の決まりはありません。私たちは直近30日のGA4データで毎月作り直していますが、4か月の記録では、新しい一覧の58〜75%が前月の一覧に無かった記事でした。一度決めた一覧を置いたままにすると、数か月で実績の無い記事の一覧になります。逆に、AIからの訪問が少ないサイトでは、基準ちょうどの記事が1訪問の差で出入りするため、期間を長く取るか見直しを隔月にするほうが一覧が落ち着きます。
GA4の「AI流入」には、AIのクローラーのアクセスも含まれますか?▾
含まれません。GA4はブラウザでタグのJavaScriptが動いたときに訪問を数えます。参照元がChatGPTやGeminiになっている訪問は、AIの回答に出たリンクを人が押して来たものです。VercelとMERJの2024年の調査では、主要なAIのクローラーはJavaScriptを実行しておらず(例外はGemini=Googlebotの基盤とApplebot)、読みに来てもGA4には残りません。クローラーが来たかどうかはサーバーのアクセスログで見るものです。
訪問数で並べるのと、読まれた訪問(エンゲージメントのあったセッション)で並べるのは、どちらが正しいですか?▾
一覧で何を伝えたいかで決まります。私たちは「AIの回答からリンクされて人が来た実績」を伝える節と決めたので、訪問数の多い順で固定し、読まれた訪問の数は同数のときの並べ替えにだけ使っています。読まれた訪問で並べると、すべての訪問がエンゲージメントなしの記事は一覧から消えますが、その訪問の正体(すぐ閉じた人か、プレビューか、自動の訪問か)は確かめられないため、消す根拠にもなりません。どちらを選んでも、一度決めたら毎月変えないことのほうが大事です。
AIからの訪問が多いのに、サイトの主題から外れる記事はllms.txtに載せるべきですか?▾
私たちは載せないと決めました。llms.txtは、仕様上「LLM向けに厳選した概要」で、そのサイトが何のサイトかをAIに伝える一覧でもあります。Web制作のサイトの一覧の上位に主題外の記事が並ぶと、サイトの主題がぶれて伝わるおそれがあります。訪問数の基準は「実績があるか」を測るもので、「主題に沿うか」は測っていません。この判定は自動の基準に入れず、毎月人が見て決めています。
llms.txtの一覧を入れ替えると、AIからの訪問は増えますか?▾
この記録からは言えません。同じ期間にサイト全体の記事やツールも増えており、一覧を変えた効果と切り分ける比較がありません。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために新しい機械可読ファイルは不要としています。ChatGPTなど他のAIがllms.txtを回答に使っているかは、各社が明らかにしておらず、外からは確かめられません。私たちが毎月の作り直しを続けているのは、手間が小さく、一覧が古くなるのを防げるからで、効果を確かめたからではありません。
llms.txtの更新が本番に反映されたかは、どう確かめればよいですか?▾
まず、llms.txtがキャッシュされているかを確かめます。私たちのサイトでは、llms.txtをサーバー側で生成して最長13時間キャッシュしているため、反映した直後に開くと前の一覧が返ります。キャッシュが切れた後に、入れ替えた節だけを切り出して比べてください。全文を検索すると、同じ記事が「最近の投稿」など別の節にも載っていて、反映していなくても一致してしまいます。CDNを挟んでいる場合は、そちらのキャッシュも確かめます。

配信中のllms.txtが、意図どおりの形か確かめる

URLを入れると、公開中のllms.txtを取りに行き、設置状況とフォーマットが仕様どおりかを確かめます。llms.txtが無いサイトでは、ひな形を作れます。

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今井政和

この記事を書いた人

今井政和

SEOディレクター / フロントエンド開発者

Web業界20年以上の経験を持つSEOディレクター。ディレベースの開発者。WordPress公式プラグイン「ORECTIC SEO CHECK」作者。著書に「三方良しで勝つ 江戸商人に学ぶ現代WEB戦略」。

@imai_director